ZX-10 各部詳細
外 装 ( フ ロ ン ト ) |
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一見非常に大きくて重いイメージを持たせるのは、このフロント部のカウルとスクリーンによるものといっても 過言ではないほど全体的に大柄な外装は、空力特性に優れ200km/h以上で巡航する際に風速からライダーを守り、 高速走行時の直進安定性に大きく貢献しており、世界最高の速度を出す為に必要された機能である。 また外装同様、大型のヘッドライトも装備されているが、欧州・欧米など海外への輸出仕様の為レンズカットが 右側通行用で左側走行用に光軸を調整すると充分な明るさが得られない。ただこの辺は後に販売された ZZ-R1100においても同様で、国内仕様が販売されていない車両の共通の問題と言える。 |
外 装 ( 中 央 部 ) |
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【フレーム】 車体の中央部にその存在感を表すアルミ製 “e-boxフレーム”は完全なる新設計でハイパワー&ヘビーウエイトに 対応する為メインフレームを90×30oの2室構造とし、各接合部分を補強され極めて高剛性な作りとなっている。 【燃料タンク】 大きく幅広なタンクは22リッターの容量があり、満タンであれば走り方にもよるが400km以上の巡航が可能 ただし燃料計の表示がセンサー取付位置の都合によるものか燃料計がE(エンプティー)を差してもまだ10リッターは 残っていようかという曖昧さで、肝心な時に残量が確認できない。 |
外 装 ( リ ヤ ) |
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当時にしては太めのリヤタイヤが少しも太く見えないほどの横広なリヤカウルには、フロント同様に カウルの中にウインカーがビルトインされ、空気抵抗を減少させる為にフラッシュサーフェス化 (段差や角を減らし滑らかなボディとすること)されている。 マフラーはGPZ900R・1000RXと同様左右2本だしとなり、サイレンサーはブラックでメッキされる |
足 回 り (フ ロ ン ト) |
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【ホイール】 フロントホイールは、900R(A1)・1000RXの16インチから17インチ(リム幅3.5)にインチアップされ、 最高速度の上昇とパワーアップに伴い扁平ラジアルタイヤを採用 【ブレーキ】 動力性能のUPに伴い強化され、キャリパーはピンスライド式異径2ポットの片押し“BACキャリパー”を新採用 またローターはφ300oのアウターローターを直接ホイールのハブに装着するタイプを採用している。 【フォーク】 41φのインナーチューブを採用したフロントフォークはヨーロッパ向けのかなりの柔らかめセッティングとなっている。 尚、GPZ1000RX以前に採用されていた “アンチダイブシステム(ADVS)” 機構は採用していない。 |
足 回 り ( リ ヤ ) |
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【ホイール】 リヤホイールは、18インチ(リム幅4.50)とし、タイヤもフロント同様扁平ラジアルを採用 ただ18インチのタイヤは交換時に選択肢のなさ(ツーリングタイプ以外)が問題となる。 【ブレーキ】 フロントと同じく“BACキャリパー”を採用しフローティングマウントされローターはφ260からφ250oに小径化された。 前後のキャリパーはブリーダープラグの場所など形状が違うがパットは前後共通(純正は異なる) 【リヤサスペンション】 リンク部が、ショックアブソーバーの下方にあるボトムリンク式のユニトラック(モノサス)を採用 エアアシスト付きのリヤサスペンションは伸び側の減衰力を4段階の範囲で調整でき、その調整ダイヤルが 車体右側のサイドカバー下に設置される |
エ ン ジ ン |
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【エンジン】 ZX10の開発過程において、ベースとなるGPZ1000RXから最も改良を加えられたのがエンジンで、 GPZ1000RXをベースとした いわゆるニンジャ系 のエンジンをよりパワーUPさせるべく大幅にリファインされた。 シリンダーヘッドは、新たに設計し直され各パーツの軽量化やバルブの挟み角の変更によりコンパクト化、 吸気ポートのストレート化などがされる。また1000RXまでの二股のロッカーアーム(1カム2バルブ)から バルブごとに独立した1カム1バルブ方式へと変更された。 ピストン・コンロッド・クランクなども新造・軽量化されるなどミッション以外がすべて作り直されたエンジンは、 1000RXと同じ排気量(ボア・ストローク)ながら圧縮比を10.2から11.0へと高圧縮化され、 パワーは12馬力アップの※137馬力となった。 尚、ベースとなったGPZ900R(ニンジャ)エンジン特有のトラブルも一部改善されることなく受け継いでいるのも 事実である。 ※ 一部仕様地向けにより馬力が異なります。 【キャブレター】 キャブレターは、シリンダーヘッドの吸気ポートが燃焼室に対し上側から直線的な形状に変更されたこと合わせ セミダウンドラフトタイプのKEIHINのCVK‐Dφ36を4連装している。 |
ハ ン ド ル 周 り |
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【ハンドル】 ハンドルは、セパーレートハンドルを採用 ハンドル取付位置をフォークの真上に配置することでハンドル幅が、 広くなるのを抑えている。また高さも低過ぎずツアラーとしてのポジションとなっている。 ブレーキ及びクラッチレバーは油圧式で両方のレバーの引き代を4段階で調整できる ダイヤル式レバーアジャスターが付く。 【スイッチ類】 各スイッチの配置は一部仕様地向けにより異なり、 ハンドルの右側(ブレーキ側) USA・ カナダ仕様 ・・・ エンジンストップ、 エンジンスターター 上記以外の仕様 ・・・ ライトON・OFF、 エンジンストップ、 エンジンスターター ハンドル左側(クラッチ側) USA・ カナダ仕様 ・・・ ホーン、 ハザード、 ウインカー、 HI・LO切替、 チョーク 上記以外の仕様 ・・・ ホーン、 ウインカー、 HI・LO切替、 チョーク、 パッシング USA・カナダ仕様にはヘッドライト・パッシングのスイッチがなくハザードが装備され、欧州向けには 規定によりハザードは装備されていない。 また、カワサキ車の特徴となっていたイグニッションをONにすると点灯するウインカー(車幅灯)も採用されておらず、 ウインカーの点滅もリレーの影響でワンテンポ遅れがちとなっている。 |
表 示 部 ( メ ー タ ー ) |
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各メーターのレイアウトはGPZ900Rや1000RXと同じだが、速度計は300km/hまでの表示となり 左側は燃料計・右側には水温計が配置される。 尚 900Rや1000RXに装備されていた電圧計を兼ねる回転計はZX‐10には採用されていない。 またメーター下部にはHIビーム・油圧警告・ニュートラルの警告灯とウインカーの動作表示灯が装備されている。 写真右はUSA・カナダ・イギリス仕様に採用されているタイプで速度計の表示がmph(マイル)内側がkm/hとなる |
収 納 部 |
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シートカウルには、カワサキ独自の荷掛けフックやその左側後方にはメインキーにより開閉する 収納スペース、またインナーカウル左側にもちょっとした小物入れになるスペースが設けられており、 実用性のあるツアラーとして当時は評価されていた。 ただしシートカウルの大きさの割りに、その左側に設置された収納スペースには純正工具・書類が入るだけほどの スペースしかなく、今時のバイクのような収納性は確保されていない。 |
そ の 他 |
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シートの後ろには、リヤスポイラーにも見える丈夫な格納式のグラブバーが、またタンデムシートの居住性にも 充分な配慮がされているなど快適なタンデムツーリングを可能にしている シートの脱着には、サイドカバーを外し固定しているボルトを緩めなければならず、当然ながら収納スペースはない。 写真右は少々使いにくいヘルメットホルダー |
GPZ900R〜ZZ‐R1100 SPECIFICATIONS | |||||||||||||||
GPZ900R (ZX900‐A1) |
GPZ1000RX (ZX1000‐A1) |
ZX‐10 (ZX1000‐B1) |
ZZ‐R1100 (ZX1100‐C1) |
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エンジン形式 | 水冷4サイクル 並列4気筒 DOHC4バルブ |
← | ← | ← | |||||||||||
排気量(t) | 908 | 997 | 997 | 1052 | |||||||||||
ボア×ストローク(o) | 72.5×55.0 | 74.0×58.0 | 74.0×58.0 | 76.0×58.0 | |||||||||||
圧縮比 | 11.0 | 10.2 | 11.0 | ← | |||||||||||
キャブレター | CVK34×4 | CVK36×4 | CVK‐D36×4 | CVK‐D40×4 | |||||||||||
最高出力(ps/rpm) | 115/9500 | 125/9500 | 137/10000 | 147/10500 | |||||||||||
最大トルク(kg‐m/rpm) | 8.7/8500 | 10.1/8500 | 10.5/9000 | 11.2/8500 | |||||||||||
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全長×全幅×全高(o) | 2200×750×1215 | 2230×725×1215 | 2170×715×1240 | 2165×720×1210 | |||||||||||
軸距(o) | 1495 | 1505 | 1490 | 1480 | |||||||||||
シート高(o) | 780 | 805 | 790 | 780 | |||||||||||
乾燥重量(kg) | 228 | 238 | 222 | 228 |
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